Bengal Report

1993年から1994年にかけて、バングラデシュとインド(西ベンガル州)に滞在した。いちおうベンガル語の学習という名目の「留学」だったが、本当の目的は、これら2つの国にまたがるベンガル地方の文化や自然を身体で感じることだった。とりわけこの地方の人々の信仰に興味を抱いていた。これはそのときの滞在記。

January 04, 2007

ダッカにて(2)

1993年4月29日

ダッカでは、日本でバングラデシュ関係のNGOを運営する J夫妻のお友達、Aさんのマンションに滞在している。Aさんは、40過ぎの独身の男性で、ダッカの中心地の8階建てのマンションの最上階に、手伝いの男の子2人と一緒に住んでいる。この社会で、この人はおそらく「上層階級」に位置すると思われる。物価がだいたい日本の10分の1ほどのこの国で、家賃が日本円にして7万円ぐらい(ひと家族の2~3ヶ月分の生活費)のマンションに住み、高そうなオーダーメイドの家具をしつらえて、洗濯は全て近くの一流ホテルのランドリーサービスに出している。毎日、おそろしく香りの良い生の花をたっぷり飾って暮らし、屋上でバラも育てている...


1993年4月30日

Aさんは、いつも自動車で移動する。もちろん運転手つき。彼はあまり道を歩かない。そして、私にも歩かせまいとする。歩いたり、サイクル・リキシャ(自転車が前についた人力車)に乗ったりする方が私は面白いし、第一、ダッカは車に乗って移動するほど大きい街じゃないのに。

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