Bengal Report

1993年から1994年にかけて、バングラデシュとインド(西ベンガル州)に滞在した。いちおうベンガル語の学習という名目の「留学」だったが、本当の目的は、これら2つの国にまたがるベンガル地方の文化や自然を身体で感じることだった。とりわけこの地方の人々の信仰に興味を抱いていた。これはそのときの滞在記。

February 22, 2007

カルカッタ(現コルカタ)

1993年7月18日

カルカッタ。「サダル・ストリート」という安宿街には、ヒッピー風の欧米人がたくさんいる。彼らが、その辺の路上生活者たちと、腕や肩を組んで仲良く歩いている姿をよく見かける。なんだろう、そういうのがいま彼らの間で流行っているんだろうか。私の路上生活者たちに対する態度は、とくに避けようとも思わないし、仲良くなろうとも思わない、といった風。

いま私は、カメラマンのクマールさん(ほんとにクマみたいな人)のアパートに泊めてもらっている。小さな部屋。ものが散乱して、思いきり散らかっている。質素な生活。でもAさんの豪華マンションより、はるかに落ち着く。ただ、問題はこの大量の赤アリ(噛まれると、ものすごく痛い)。それと蚊(巨大)。昨日、ここに着いたときは暗くて分からなかったけど、夜中ずっと何か体がチクチクするので、朝起きてからベッドの布団をめくってみたら、敷布団の下にいるいる!うじゃうじゃと赤アリが!! 小さな肉食の蟻。手強そう... すでにいっぱい噛まれてしまった。


1993年7月19日

1人のメイドと、彼女の2人の息子がここで雇われている。住み込みではない。彼女たちの家は、近くのスラムにあるらしい。ダッカのAさんちの男の子とちがって、ここの使用人たちは明るい。よくしゃべり、よく笑う。たぶん、クマールさんが彼らに優しいからだろう。下の方の息子は学校にも行かせてもらっており、上の方の息子はクマールさんの仕事を手伝わせてもらっている。主人と使用人の関係が良好な家は、とても居心地が良い。

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