Bengal Report

1993年から1994年にかけて、バングラデシュとインド(西ベンガル州)に滞在した。いちおうベンガル語の学習という名目の「留学」だったが、本当の目的は、これら2つの国にまたがるベンガル地方の文化や自然を身体で感じることだった。とりわけこの地方の人々の信仰に興味を抱いていた。これはそのときの滞在記。

July 28, 2007

シャンティニケタンにて(9)

上は、向こうで仲良くなった犬。とても勇敢で、愛らしい犬だった。インドの犬はみんなスリム。

下は、サンタル族の村の家。藁屋根、泥造り。壁や床には、牛糞を水でのばしたものを塗る。虫除けになるそうだ。室内はびっくりするほど清潔。
1993年11月29日

マッディヤプラデーシュ州、デリー、ラジャスタン州、ウッタルプラデーシュ州で今、いっせいに選挙が行われている。ヒンドゥー至上主義を唱えるBJP(極右政党)は、ほとんどの州で負けているが、もしBJPが勝てば、インドはとんでもない国になるだろう、とシャシャンクは言っている。

1993年12月8日
サーシャというロシアからの留学生がいる。彼はかなりの全体主義者。ヒンドゥー教に改宗し、ヒンドゥー至上主義を唱えている。イスラム教徒を世界の悪の根源のように思い込んでいる。ロシアから来た彼が、なんでまたこんな風になってしまっているのだろう。サーシャは見目麗しい、金髪青眼の美少年。あまりに純粋そうで、かえって怖いような印象を与える青年だ。

ちなみに、いまロシアでは、新興宗教がさかんで、中には日本で有名なオウム真理教や、ヒンズー教関係のものもあるらしいから、ロシアに居たときから既に興味を持っていたのだろう。ロシアはいま病んでいるのかもしれない。

1993年12月20日

この社会にだんだん深く入っていくにつれて、ここの人々が色々な形で相互依存していることが分かってくる。これは、いわゆる「社会保障」や、「社会福祉」について考える際の重要なヒントになると思う。

インドには、とりわけ、貧しい人々には、公的な保障制度というものは全くといってもいいほど無いのだが、この民間レベルの相互扶助システムのおかげで、みんな何となく保障されているように見える。

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