シャンティニケタンにて(9)
上は、向こうで仲良くなった犬。とても勇敢で、愛らしい犬だった。インドの犬はみんなスリム。
下は、サンタル族の村の家。藁屋根、泥造り。壁や床には、牛糞を水でのばしたものを塗る。虫除けになるそうだ。室内はびっくりするほど清潔。
1993年11月29日
マッディヤプラデーシュ州、デリー、ラジャスタン州、ウッタルプラデーシュ州で今、いっせいに選挙が行われている。ヒンドゥー至上主義を唱えるBJP(極右政党)は、ほとんどの州で負けているが、もしBJPが勝てば、インドはとんでもない国になるだろう、とシャシャンクは言っている。
1993年12月8日
サーシャというロシアからの留学生がいる。彼はかなりの全体主義者。ヒンドゥー教に改宗し、ヒンドゥー至上主義を唱えている。イスラム教徒を世界の悪の根源のように思い込んでいる。ロシアから来た彼が、なんでまたこんな風になってしまっているのだろう。サーシャは見目麗しい、金髪青眼の美少年。あまりに純粋そうで、かえって怖いような印象を与える青年だ。
ちなみに、いまロシアでは、新興宗教がさかんで、中には日本で有名なオウム真理教や、ヒンズー教関係のものもあるらしいから、ロシアに居たときから既に興味を持っていたのだろう。ロシアはいま病んでいるのかもしれない。
1993年12月20日
この社会にだんだん深く入っていくにつれて、ここの人々が色々な形で相互依存していることが分かってくる。これは、いわゆる「社会保障」や、「社会福祉」について考える際の重要なヒントになると思う。
インドには、とりわけ、貧しい人々には、公的な保障制度というものは全くといってもいいほど無いのだが、この民間レベルの相互扶助システムのおかげで、みんな何となく保障されているように見える。
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